一般的に、発信(アウトバウンド)の研修期間は短めで、受信(インバウンド)は比較的長くなります。
発信では、商品の案内や調査のための決まった質問など、限られた内容のため、会社が用意したスクリプト(台本)に沿って電話をかければ、最低限の業務はできます。
お客さまから突っ込んだ質問をされたときには、支援者等が指示を出したり、代わったりします。
受信では、一応受付範囲は決まっているものの、お客さまがどんな質問をしてくるかわかりませんので、担当範囲の業務知識をすべて身につけておく必要があります。どうしても、準備期間は長くなってしまいます。
コールセンターの研修は、どこでも同じような流れになります。
座学研修 ⇒ ロールプイレング(ロープレ) ⇒ OJT(On the Job Training) ⇒ デビュー
座学研修
最初に受けるのが、座学研修です。
文字の通り、座って講義を受けるものです。自動車教習所の学科講習にあたります。
おもに、言葉づかい、業界や業務の知識、実際業務でのPC端末の操作方法、個人情報の取り扱いに関すること、などです。
管理者が講師を務めます。
資料は配ることもあれば、板書をひたすらメモするところもあります。
多くのセンターでは、資料やメモ類は外部に持ち出せません。
最初は自宅で復習したくてもできず、苦しむ新人さんが多いようです。
自宅で復習したいときには、休憩時間や退出後に、記憶を頼りにノートに書いたり、スマートフォンに入力するしかありません。
それほど専門的な業務でなければ1日から数日間、テクニカルサポートは1ヵ月くらい、保険や金融などは数ヵ月から半年くらいの研修があるところもあります。
ロールプレイング
ロールプレイング(ロープレ)とは、ロール(役割)をプレイング(演じる)という意味で、電話の受け答えの練習です。
コールセンターには、典型的な受け答え用のスクリプトが用意されています。
台本と訳されますが、どちらかというと、お客さまの答えによって枝分かれするフローチャートに近いかと思います。
スクリプトを使って、おもに同期入社の仲間と、客役とオペレーター役を交互に担当して練習します。
最初はスクリプト用紙を見ながら受け答えに慣れ、次に実際に教育用端末を操作しながら、実際と同じような環境で練習を積みます。
座学研修の後半で行うことが多いと思います。
ロープレの修了試験がある場合もあります。
OJT
ロープレがある程度できるようになれば、次は実際にお客さまと話す練習です。
これをOJT(On the Job Training)といいます。現任訓練とも言われ、ロープレが教習所での所内運転訓練なら、OJTは仮免許の路上運転訓練に相当します。
通常、ベテランオペレーターが担当者として指導します。
担当者はずっと同じ場合もあるようですが、多くのところは日替わりです。
担当者が新人さんの会話を横で聞きながら(モニタリング)、スクリプトに沿った応対ができているかをチェックします。
また、新人さんがわからないことや、お客さまに確認してもらいたいこと、間違った案内などがあれば、そのつど指示を出します。
終話後には、言葉づかいなどを指摘したり、業務知識を解説したりします。
担当者の指導方法や性格、相性などで、わりと楽しくできるときと、苦労するときがあり、辛くて途中で辞めてしまう新人さんもいます。
研修で最も緊張する期間かと思います。
合わない担当者の場合でも、日替わりですので、何らかの得るところは身につけて、デビューに向けてもうちょっとだけ辛抱しましょう。
OJTも最低日数・時間が決められています。もう一息の場合は、延長されます。
デビュー
管理者がOJTでの電話対応を聞いて、ある程度のレベルに達していると判断されれば、一人立ちのデビューです。
デビューのことを「着台」ということもあります。
これからは、伸び伸びと電話対応することができます。随時、管理者がモニタリングはしていますが。
横にベテランオペレーターがいないと不安という新人さんもいますが、すぐに慣れます。
せっかくデビューしたのですから、あとは自分で考えて工夫したり、周りのオペレーターの会話をこっそり聞いて参考にしたり、管理者にアドバイスしてもらったりして、場数を踏んで少しずつ上達しましょう。
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