コールセンターでの生産性とは
「生産性」という言葉を聞くと、憂鬱になるオペレーターの方もいらっしゃるかもしれませんね。
コールセンターでは、運営・管理側は「いかに生産性を上げるか」をつねに検討しています。
ですので、生産性の低いオペレーターは指導を受けたり、契約更新時に不利な状況になったりします。
逆に、生産性の高い上位のオペレーターは、名前が発表されたりするところもあります(時給には関係ないですが)。
コールセンターでの生産性というのは、1時間あたりの電話処理件数のことです。
そもそも、オペレーターが処理する1件の電話業務は、「お客さまとの通話+通話後の処理業務」から成っています。
「お客さまとの通話」は、文字通り通話そのものです。
「通話後の処理業務」とは、担当業務によってさまざまですが、お客さまの用件を処理するための、おもにPC端末上の作業です。
応対履歴の入力、受付・申し込みの画面入力、他の業務部署への指示書作成など・・・。
同じ業務でも、システムが違えば、処理方法も異なります。
この通話後の処理業務のことは通常「後処理」と呼ばれます。
生産性の計算の仕方
「通話+後処理」にかかる時間が1件あたりの電話処理時間です。
たとえば、通話に5分かかり、後処理に3分かかると、1件に8分間かかったことになります。
もちろん、通話時間はお客さまによって変動しますし、後処理時間も用件によって変わります。
そこで、1ヵ月間に処理したすべての電話の通話時間と後処理時間の平均値を計算して、それぞれの平均値を合計したものが、その月の平均処理時間になります。
通話時間の平均値が7分間、後処理時間の平均値が3分間だとすると、1件の平均処理時間は10分間になります。
つまり、この月は平均すると10分間で1件の電話業務を処理できたわけです。
1時間あたりでは、6件の電話業務を処理できるとみなされます。
これが生産性の数値となり、この月の生産性は6になります。
受電業務の場合、時間帯によって電話が少なくて実際には1時間に6本も取っていないこともあります。
生産性は実際の受電数ではなく、切れ目なく電話があれば6本処理することが可能であるという、計算上の数値です。
どこのコールセンターでも生産性の目標値が設定されていて、なるべく多くのオペレーターがクリアするように、あれこれ対策を練っています。
生産性の高いオペレーターが増えれば、人数をある程度減らしてもお客さまからの電話に対応できますので、人件費が少なくなり、経営効率もよくなるからです。
生産性が考慮されるのは、入社してから数ヵ月経った頃からですので、新人さんは考えなくてもよいですし、まだそれどころではないでしょう。
ちなみに、私は現在のセンターでは、同じ業務の50人以上のオペレーターのなかで、毎月5位前後です。
目標値もクリアしていますので、まあまあの生産性でしょうか。
生産性を高くする最初の一歩は、業務の棚卸
生産性は「通話時間+後処理時間」の合計から計算されますので、高めるためには何らかの時間短縮が必要です。
通話時間の短縮と、後処理時間の短縮とに分けて考えるとよいと思います。
それぞれの短縮の工夫などありますが、その前にした方がよいと思うことがあります。
①担当する可能性のある、すべての業務の一覧リストを作る。
②各業務について、通話中にお客さまから聴取する項目と案内する項目をすべて書き出す。
③同様に、各業務について後処理で行うことをすべて書き出す。
この作業で、すべての業務をはっきり確認することができます。業務の棚卸のようなものです。
通話中に聞く項目と話す項目を把握しておけば、とりあえず漏れがなくなり、確認の架電をすることがなくなります。
できれば、会社と自宅でそれぞれ同じリストを作って、1日1回はざっと目を通すと記憶に定着していきます。
会社ではリストを作る時間がないという人もいるでしょうが、待ち時間や休憩時間の一部を使ってみてはどうでしょうか。
資料などが持ち出せませんので、自宅では、記憶を頼りに作成することになりますが、1日数項目くらいずつ覚えて帰宅しましょう。
数ヵ月かけてでも、このような一覧を作ることができれば、それだけでも結構処理が早くなると思いますし、ミスも少なくなります。
面倒ですが、それなりの効果はあります。
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